2014年6月17日火曜日

兵器の絵を描く男の子は「戦争好き」?

このブログは「クレヨン堂」主催者のブログなんだから、もっと子供の絵についての話題もとりあえげないといけないなー、と思っていた矢先、珍しいものを見つけたので。

昨日の新聞の読者欄は子供特集でした。
その中に、おや、男の子が描いたゼロ戦のイラストが。けっこうしっかり描けていて、「52型」とまで書いてあります。今どき珍しいですね。「風立ちぬ」の効果ですかね。

お母さんたちの中には、自分の息子がこういう絵を描いたのを見て、「やだ、うちの子、戦争好きなのかしら。困ったわ・・・」などと思われる人もいるかもしれません。今日はそんな話を。

結論から言いますと、これ、まったくの杞憂です。
順に説明しますね。

まず認識いただきたいのは、男女で比べたら男は戦争が好きです。これはどうしようもない。
と言うより、そういう男が子孫を残せたのだからしょうがないですね。

狩猟民族については言うまでもないでしょう。動物に勝てないと飢えてしまうので戦うのが得意な人の遺伝子が残ります。
農耕民族もまた、戦って農地を増やさなければ生き残れなかったわけですから、今生き残っている人たちは皆、戦って農地を獲得した人の子孫なわけです。世界的に同じことが言え、中国の歴史の教授曰く「秦が全国を統一する過程では農民も喜んで戦争に戦争に参加した。勝てば農地がもらえるから」とのお話。「喜んで」かどうかはともかく、生き残るにはそれしかなかったんでしょう。

なので、あくまで男のなかでの話にはなりますが。

なぜ、兵器の絵を描きたがる男の子が別に戦争好きなわけではないか。
実際に戦うのが好きな子は、おとなしく絵なんぞ描いてません。外で暴れています。絵を描くのが好きという時点でおとなしい子です。むしろもっと外で元気に遊ぶべきです(^^;)

ただ、兵器に興味が有るのは事実ですね。
ではなぜ?
兵器というのは「機能」の塊です。全ての部品や、全体の構成も、ある目的のために作られていて、それは見た目の形状にも現れています。これは男の興味をそそることなのです。

普通の乗り物でいいじゃないの、と思われるかもしれませんが、普通の電車や車はそこまで機能に徹していないので、あまり面白みがないのです。まして、非日常性に憧れるのが男の本能ですから、車よりも、電車や建築車両、緊急車両、さらに兵器というのは好奇心の対象として当然の序列です。

描くのをやめさせないほうがいいと思います。兵器に興味を持つ子は、観察眼が優れている可能性が高いです。そこが優れているからこそ、上に述べた「機能とデザイン」というところに興味があるのです。
将来はエンジニアや研究者として伸びる才能があるかも。勿論、漫画家やアニメーターに進むかもしれませんが、観察眼の高さはこれらの業種に共通して求められる資質です。
むしろそちら方面の才能を伸ばすことを考えてあげてください。

ファンタジーものが全盛の昨今で、「メカ」の最たるものである兵器に興味が行く子はそれだけで貴重な存在価値ありです。

<以下蛇足>
宮崎駿さんも、漫画を描くときは戦争や兵器ネタが多いので、お母さん方から非難されることがあったそうです。なぜそういうふうにしか結び付けられんのだと憤慨されてましたね。

(この絵ではないですよ。そもそもこれはゼロ戦じゃないし)

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